また、背側(大脳皮質)の発達・成熟が進むと、そこから腹側(大脳辺縁系)に向けて抑制性の神経投影(トップダウン・コントロール)が強く伸びていきます。これにより、衝動的な情動行動(腹側の働き)が、理性的思考(背側の働き)によって適切にコントロール(抑制)されるようになります。ASD、LD,など非定型発達では、この抑制が十分に働かず、上記のような非定常的な情報処理を行う可能性があります。

図2 大脳皮質と大脳辺縁系 プチサヴァンと「能力形成窓延長仮説」

すなわち、正常発達では、

    社会・言語など高次機能の成熟 

    → 情報処理の統合・安定化のために抑制ニューロンが働く

    → ある種の能力形成(大脳辺縁系など)の「窓」が狭くなる?

のに対し、

一部の非定型発達では、

    発達タイミングの非同期性 

   → ある種の知覚・認知処理の自律性が比較的長く残る?

   →「伸びる窓」が長く残る?

という「能力形成窓延長仮説」を考えました。ただし、これは、実証されておらず、エビデンスの不十分な仮説であることをお断りしておきます。