• 2024年4月23日 3:19 AM

環境エピジェネティクス 研究所

Laboratory of Environmental Epigenetics

研究所活動 論文・学会発表・講演 内容

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Asian Toxicological Meeting July 2023, Taipei Taiwan

Transgenerational epigenetic inheritance ㏌ “Kameni Yusho”

“Kanemi Yusho” was the largest food pollution at Japan in 1968, and it has left a big mark on the generation who ingested Kanemi rice bran oil. The cause was the transformation of heated PCBs into the highly poisonous polychlorinated difurans (PCDFs). Recently, it has been suggested that similar disease are occurred at a high frequency in the second and third generations of patients. “The Kanemi Yusho Study Group, Japan” has begun to investigate the disease in later generations. We have begun our own research based on the hypothesis that “transgenerational epigenetics inheritance (TEI)” is involved in these generational problems. TEI is a phenomenon in which some toxic effects are observed even in generations not exposed to the causative agent, and is attributed to the transgenerational transmission of epigenetic modifications in the germline cells. In the future, we plan to conduct epigenetic analysis in the cells of these individuals.Asian Tox July 2023, Taipei

「カネミ油症」での継世代エピジェネティック遺伝(TEI)とH19/IGF2のエピジェネティック攪乱
Next-generation effects and epigenetic disruption of H19/IGF2 in “Kanemi Yusho”
○、堀谷幸治、澁谷 徹

「カネミ油症」は1968年に日本で起きた最大の食品公害であり、米ぬか油に混入したダイオキシン類のpolychlorinated dibenzofurans (PCDFs)が原因物質とされている。50年以上経過した現在、直接汚染された米ぬか油を摂取した患者を親に持つ二世、三世世代においてもその親と同様な症状や先天的異常が報告されている。この事象は哺乳動物における継世代エピジェネティック遺伝(TEI)がダイオキシン類によって引き起こされていることから人におけるTEIである可能性が議論されている。また、最近、ダイオキシン類が動物およびヒトにおいてもゲノムインプリンティング遺伝子H19/IGF2のエピ変異を誘発し、心血管系、骨形成、免疫系などの疾患を引き起こすことがわかってきており、TEIの機構として関与していることが提唱されている。今回はそれらをレビューし、特にカネミ油症でのTEIの可能性ついて議論したい。

毒性学会 July 2023, 横浜

ダイオキシンはaryl hydrocarbon receptor(AhR)活性化によって継世代エピジェネティック遺伝(TEI)を誘発する
Dioxins could induce transgenerational epigenetic inheritance: (TEI) by aryl hydrocarbon receptor(AhR)activation
○、堀谷幸治、澁谷 徹
環境エピジェネティクス研究所

「継世代エピジェネティクス遺伝:TEI」は原因物質に曝露されていない世代においても、遺伝子変異によらない何らかの毒性作用が認められる現象で、生殖細胞のエピジェネティックな修飾が世代を越えて伝達されていることに起因していると考えられている。TCDDなどのダイオキシン類は、ラットやマウスの哺乳類でTEIを誘発するとの多くの報告があり、ヒトにおいてもダイオキシン類のpolychlorinated dibenzofurans (PCDFs)による「カネミ油症」などでその可能性が議論されている。しかしその誘発機構に関してはよくわかっていない。一方、ダイオキシン類、B(a)Pなど多環芳香族炭化水素(PHA)などの毒性発現機序は、AhRの過剰な活性化が解毒代謝、免疫、細胞周期など様々な経路でかく乱を引き起こすことによるものと考えられ、さらに最近ではエピジェネティックな作用が関与しているとの知見が得られている。これまでに実験動物などで確認されたDioxins、PHAなどの内分泌かく乱物質によるTEIに関しては、特にゲノムインプリンティング関連遺伝子H19/IGF2との相関がそのひとつの候補として提唱されている。今回は、AhR
とH19/IGF2の相互作用についてレビューし、特に「カネミ油症」におけるTEIの可能性について議論したい。

内分泌かく乱化学物質学会 July 2023, 徳島

継世代エピジェネティクス遺伝とカネミ油症
Transgenerational epigenetic inheritance in Kanemi oil disease
○澁谷 徹1、堀谷幸治1、藤野』糺2
1環境エピジェネティクス研究所、2菊陽病院

「カネミ油症」は、1968年に国内最大の食品公害で、カネミ油を摂取した当該世代に大きな禍根を残している。その原因は、加熱されたPCBが猛毒のpolychlorinated difurans (PCDFs)に変化し、それが米ぬか油に混入したことが原因であった。最近、当該世代の二世および三世においても同様の疾患が高頻度で起きていることが示唆されつつあり、「全国カネミ油症治療研究班」においても、後世代における調査が開始されている。私たちは、「カネミ油症」の世代間継承に、「継世代エピジェネティクス遺伝:TEI」が関与しているとの仮説の元に、独自に調査研究を開始している。将来にはこれらの方々の細胞におけるエピジェネティック解析を予定している。
 TEIとは、原因物質にばく露されていない世代においても、何らかの毒性作用が認められる現象で、生殖細胞にエピジェネティックな修飾が世代を越えて伝達されていることに起因している。
また、これまでに多くの内分泌かく乱物質(EDCs)に、動物実験でTEIが確認されている。これらのEDCsによるヒト将来世代へのインパクトについても議論する。

環境化学物質3学会
合同大会2022
6月14日 17:45ー
  澁谷 徹 所長 口頭発表
 
 TU-B3-4 内分泌かく乱化学物質は継世代エピジェネティック遺伝を誘発する

これまで内分泌かく乱物質 (EDCs) の哺乳類の生殖細胞への影響に関しての研究はほとんどされてなかったが、多くのEDCsによって継世代エピジェネティック遺伝(Transgenerational Epigenetic Inheritance: TEI)が誘発されることが2005年以降多数報告されている。その原因として何らかのエピジェネティックな修飾が生殖細胞を通して伝達されていることが考えられている。

5月21日 澁谷 徹 所長 ミニ講演のお知らせ
(予約必要)(5.21)オルタナティブな日本をめざして(第75回)
「化学物質とエピジェネティクス」(渋谷徹さん:新ちょぼゼミ)(2022年5月21日)
 
https://drive.google.com/file/d/11vlYlKmkRZGRNnCazp8FhlkjsSqbOhFE/view?usp=sharing

 人間の生命の営みは遺伝子が支配していると言われてきましたが、実は、その遺伝
子は「エピジェネティクス」というさらに高度なメカニズムで支配されていること
が、かなり以前に発見され、その解明のための研究が続けられてきました。「エピ
ジェネティクス」とは、DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシ
ステムである」と定義されています。簡単に言えば、遺伝子発現のON・OFFス
イッチのことであり、これが発生過程や生命の機能維持にとって重要です。
 「エピジェネティクス」という言葉は、個体発生に関する説の1つである「エピ
ジェネシス(後成説)」と「ジェネティクス(遺伝学)」を起源としています(C.
H. Waddington, 1942)。「エピ」はギリシャ語で「後で」や「上に」という意味の
接頭語で、遺伝学「ジェネティクス」を超えるという意味になります。
 今回は、この「エピジェネティクス」について、特に化学物質との関係に注目しな
がら、基本的なお話を、この分野の専門家でいらっしゃる澁谷徹さんにしていただこ
うと思います。人間の生命の営みを、現在の生物学の最先端分野である「エピジェネ
ティクス」から理解し、その知識を医学を含めた様々な分野で活かしていくことが期
待されています。この機会をお見逃しなく、皆様のご参加をお待ちいたします(な
お、最初の1時間で主催者側より別テーマでのプレゼンを行う予定です)。

講師:澁谷 徹(しぶや とおる)さん
環境エピジェネティクス研究所所長・健康エピジェネティックネットワーク副代表・
環境エピゲノミクス研究会(前代表幹事)・日本毒性学会(前評議員)・日本エピ
ジェネティクス研究会