私にとって福井県は好きな県の第一番目である。まず「永平寺」が素晴らしい。私が禅に導かれて、最乗寺(南足柄市)で座禅や仏典の指導を受けたのはもう30年も前である。それ以来曹洞宗、とりわけ高祖道元禅師に心酔している。これまでに「永平寺」は5度くらい訪問している。しかし、宿泊して座禅などをやったことは残念ながらまだない。機会を作って、是非やってみたいと思っている。
勝山市の「恐竜博物館」も立派である。一昨年初めて行ったが、この博物館の内容はとても充実していて迫力があった。「フクイザウルス」は、実際にこの近くから発掘されており、博物館では化石発掘の実習もできる。私が「恐竜」を初めてみたのは、名古屋の東山動物園のコンクリート製の恐竜群だったが、今でも残っているのだろうか。一体、なぜあそこに恐竜が作られていたのだろうか。
福井県は恐竜が自慢の県なので、福井駅前には数体の動く恐竜があり、夜に見るととても迫力がある。また、ベンチには白衣を着た小さな恐竜が坐っているのはご愛敬である。よく見て見れば、福井には恐竜に関したモニュメントがいろいろとあるのだろう。福井では、「おろしそば」を食べることが多いが、大根おろしと蕎麦との相性がとてもよく、そば好きの私にはたまらないものである。
「年縞博物館」のことは前に書いた(第20回)が、10万年以上も保存された年縞には、地震、洪水、さらには火山噴火のような天変地異がはっきりと記録されている。これは日本列島の貴重な災害の記録である。しかし福井県には原子力発電所がたくさんあり「原発銀座」とさえ言われ、また最近廃止がきまった「もんじゅ」もあった。これは福井県が関西の電力の大消費地に近いからであろう。最近、発覚した原発建設に関する関西電力のデタラメさを考えると、いったい彼らは真剣に地域住民や日本のことを考えているのかどうか大いに疑問である。
「東尋坊」も好きな場所である。磊磊としか言いようがない巨大な岩の量は見ていても飽きない。いつかここから秋の入日を見る機会があったが、大いに胸を打たれ、帰ってから大きな水彩画を描いてみた。岩以外には何も存在していないことがとても素晴らしい。周りの小さな店での魚料理も新鮮で安くておいしい。
磊磊と岩の質量秋入日 徹 (10/23/20)